ペルテス病について

ペルテス病とは?どんな病気?

大腿骨頭部への血の巡りが悪くなり、骨の壊死が起こる。壊死して弱った箇所に負荷がかかり、骨の変形を起こしてしまう病気。 骨頭が変形したままだと、大人になったときに股関節に痛みや歩行障害が生じ(変形性股関節症)、人工股関節置換術が必要になってしまう。

どんな人がかかるの?

幅広い年齢(2〜15歳)で発症するが、よくみられる年齢は4〜9歳。 男の子に多い病気(女の子より4倍程度)。原因は不明

症状は?

多くの場合太ももや膝に痛みを訴え、びっこ(跛行)をひく様子が現れる。 股関節の動きが制限され、左右の脚の開き具合が違うなどの症状がみられる。

診断は?

X 線検査、MRI、超音波検査などの画像診断で判断する。

※診断が困難

股関節ではなく、膝や太ももに痛みを訴えることが多く、専門医でいないと誤診などで診断が遅れてしまう。 治療が遅れ成長期の恩恵を逃すと左右の脚長差が大きくなり全身に悪影響を及ぼす。 そのため、良好な治療成績をおさめるには早期発見・早期治療が重要。 初期症状のびっこをひくなどの、「歩き方がおかしい」と思ったら早めに大腿骨頭のX線撮影やMRIを行い早期発見につとめる。 原因不明のため予防策もなく、やはり早期発見が大事。

治療目標

大腿骨頭の丸みを獲得すること。

治療法

発症年齢や進行具合により異なる。 良い結果を得るためには、股関節の可動域を確保する訓練と臼蓋によって骨頭を包み込む状態を維持する必要がある。
方法として保存治療と手術治療がある。 いずれにせよ骨が再生するまで数年間という長い期間が必要。

保存治療

装具をもちいて股関節を特別な位置に保持する。 装具療法は手術療法に比べ適切に装着したり、日常生活で常に着けていないといけないため、家庭で行うには難しい。
良好な結果を得るには経験豊富な施設で行なわねばならない。

手術治療

骨頭を臼蓋に深く包み込んで球形を積極的に取り戻そうとする。手術療法をおこなった場合には自然の状態でも骨頭は臼蓋に深く覆われている。
保存療法よりも早く普通の生活に復帰できる。

参考